札幌市白石区菊水5条2丁目の住宅街の菊水公園の角に鎮座する「菊水神社」は、もとは「菊水稲荷神社」として中央区にあった神社が移転したものです。
遊郭移転に伴いこの地へ遷座したという珍しい背景を持ち、現在は地域の人々に静かに見守られながら存在しています。
今回は、そんな菊水神社の歴史や由緒、ご利益、アクセス方法を詳しく紹介します。
菊水神社の概要とは?

札幌市白石区菊水5条2丁目にある菊水神社は、かつて札幌市中央区・南5条西8丁目付近に存在していた「菊水稲荷神社」を前身とする神社です。
1920年(大正9年)頃、遊郭の移転に伴い現在の地に遷座したと伝えられています。
もともとは「菊水稲荷神社」と呼ばれていましたが、1970年(昭和45年)に社名を「菊水神社」と改称しました。
境内は大きくはありませんが、清潔で落ち着いた雰囲気に包まれており、地域住民の心の拠り所となっています。例祭日は毎年8月14日と15日で、地元の人々による小さな祭りが行われます。
歴史と由緒

菊水神社の起源は、札幌の繁華街にあった「菊水稲荷神社」にあります。
札幌の開拓が進む明治・大正期、当時の遊郭が移転する際に、この神社もともに現在の白石区菊水へと遷座しました。
人々の暮らしとともに場所を移した神社として、その歴史は非常に珍しく、札幌の街の変遷を静かに物語っています。1970年には御神体が返還され、正式に「菊水神社」として新たな歴史を歩み始めました。
御祭神とご利益
菊水神社の御祭神は、宇賀之霊之神(うかのみたまのかみ)をはじめ、太田之神、御子之神、広瀬之命、大宮売之命といった稲荷の神々です。
いずれも五穀豊穣や商売繁盛を司る神様であり、商売人や芸能関係者、職人などからも信仰を集めています。
また、かつての移転の歴史から「新しい土地での安定」「新たな挑戦の成功」など、人生の転機に関するご利益があるとも言われています。
静かな境内で手を合わせると、不思議と心が整い、前向きな気持ちを取り戻せると評判です。
参拝のポイント

境内はこぢんまりとしており、社務所や御朱印の受付はありませんが、その分、静寂の中でゆっくりと参拝することができます。
冬場は雪に覆われ、白一色の中に朱色の鳥居が映える美しい風景が見られます。
春には桜が咲き、季節ごとに異なる表情を楽しめるのも魅力のひとつです。参拝の際は、地域の生活空間に溶け込む神社であることを意識し、静かにお参りしましょう。
アクセス
菊水神社
- 所在地:札幌市白石区菊水5条2丁目1
- 最寄駅:地下鉄東西線「菊水駅」2番または3番出口から徒歩約7分
- 駐車場:なし(公共交通機関の利用を推奨)
まとめ
札幌市白石区の「菊水神社」は、札幌の街の移り変わりを見守ってきた歴史ある小さな神社です。
かつて遊郭と共に遷座したという珍しい由緒を持ちながら、現在では地域に根ざした穏やかな神社として多くの人々に愛されています。
派手さはありませんが、静かに自分と向き合いたいとき、心を整えたいときに訪れたい癒しのスポットです。

